東京都人権プラザ、セルフ・ネグレクト講座

この記事のポイント

1.東京都人権プラザが、セルフ・ネグレクトをテーマに令和8年度第1回人権問題都民講座を開く。
2.講座は2026年7月28日、東京都人権プラザ会場とオンラインで実施され、参加費は無料。
3.入浴をしない、住居にごみをためるといった状態を、本人の自己責任だけでなく、孤立や支援拒否を含む福祉課題として考える内容となる。

なぜ起こる?セルフ・ネグレクト~『風呂キャンセル』から『ゴミ屋敷』まで~

東京都人権プラザは2026年7月28日、令和8年度第1回人権問題都民講座「なぜ起こる?セルフ・ネグレクト~『風呂キャンセル』から『ゴミ屋敷』まで~」を開く。時間は午後6時30分から8時30分までで、会場は港区芝二丁目の東京都人権プラザ1階セミナールーム。オンラインでもZoomで配信する。参加費は無料で、会場定員は60人、リモート参加は申込者全員を対象とする。

セルフ・ネグレクトは「自己放任」と訳されることが多い。東京都人権プラザは、長期間入浴を行わない、居住空間にごみをため込むなど、自分の生活や健康を維持することが難しくなり、健康で文化的な生活を自ら放棄するような状態を指すと説明している。重いケースでは、放置によって孤立死につながる場合がある。講座では、その原因や社会的背景を踏まえ、自分自身や身近な人に傾向や危機がある場合の予防、対応を学ぶ。

講師は、東京医療保健大学副学長で東が丘看護学部長、大学院看護学研究科教授の岸恵美子さん。岸さんは、高齢者虐待、セルフ・ネグレクト、ゴミ屋敷、孤立死、保健師教育などを主な研究分野としている。著書には『セルフ・ネグレクトのアセスメントとケア ツールを活用したゴミ屋敷・支援拒否・8050問題への対応』、『ごみ屋敷に住む人の心理と支援がわかる本』などがある。

人権上の論点は、セルフ・ネグレクトを「だらしなさ」や「本人の選択」とだけ見ない点にある。入浴、食事、掃除、受診、近隣との関係が維持できなくなる背景には、心身の不調、家族関係の断絶、経済的困難、加齢、障害、ひきこもり、支援への不信感などが重なることがある。外から見える状態が同じでも、本人が何に困っているのかは一律ではない。支援する側が生活環境だけを急いで整えようとすると、本人の意思や尊厳を置き去りにするおそれもある。

地域福祉の現場では、セルフ・ネグレクトを早期に把握する仕組みと、本人との関係づくりの双方が必要になる。近隣住民からの苦情、行政への相談、医療・介護関係者の気づきは入口になり得るが、本人が支援を拒む場合、強制的な介入だけでは解決しにくい。講座が「風呂キャンセル」から「ゴミ屋敷」までを題名に掲げているのは、日常的な生活行動の変化から深刻な孤立までを連続した問題として捉えるためといえる。

申込締切は、会場参加が2026年7月24日正午、オンライン参加が7月27日正午。託児や情報保障を希望する場合は7月14日までの申込みが必要で、手話通訳や点字通訳などについては問い合わせる形となる。東京都人権プラザは、参加者が講座後に学びを深められるよう、フォローアップ・テキストを提供する予定としている。

出典

東京都人権プラザ
URL:https://www.tokyo-hrp.jp/lecture-2026-01.html

人権ニュース編集部

人権ニュース編集部は、官公庁、自治体、企業、公益団体、国際機関等が公表する一次情報をもとに、差別、労働、教育、福祉、司法・制度、外国人共生、ビジネスと人権などに関するニュースと解説を発信しています。掲載内容は、出典確認を行ったうえで、制度的背景や人権上の論点を補足して構成しています。

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