有料老人ホーム登録制、2027年12月施行へ 「囲い込み」防止策を具体化

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この記事のポイント

1.厚生労働省は10月9日、有料老人ホームの新たな登録制度について、契約、人員配置、サービスの質などの基準案を取りまとめた。2027年12月の施行を予定している。
2.系列の介護事業所の利用強制や、入居者の同意を得ない居室変更・契約解除などを防ぐ基準を設け、介護サービスを自由に選択できる環境を整える。
3.夜間対応は職員配置のほかオンコールも認める方向で、入居者の安全確保と事業者の負担軽減を両立できるかが課題となる。

笑顔あふれる高齢者ケアの風景

に夜勤職員を義務付ければ、施設の運営費や入居者負担が増えるとの意見があった。その反面、認知症や重い要介護状態にある入居者が、火災や急病の際に自ら通報できるとは限らないという問題も指摘された。

オンコールを認める場合でも、緊急通報装置の作動から職員が到着するまでの時間や、災害時の避難支援が確保されなければ、安全性は評価できない。厚生労働省は、ホームが責任を持って速やかに対応できる体制を確保することを基準案に盛り込んでいる。

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入居者の同意なく退去を迫る契約も規制対象

有料老人ホームは介護サービスを利用する場所であると同時に、入居者の日常生活の拠点でもある。

今回の基準案では、入院や心身の状態の変化を理由として、本人の合意なく居室を変更したり、契約を解除したりする不当な条件を認めない方向が示された。居室は原則個室とし、1人当たりの床面積を13平方メートル以上とする設備基準も盛り込まれた。既存建物などには代替措置を伴う特例を設ける。

運営面では、虐待の防止、身体拘束の適正化、事故への対応、協力医療機関の確保なども求める。入居者の安全だけでなく、本人の意思と人格を尊重したサービス提供を明記している点が特徴となる。

介護の必要性と本人の意思は別の問題

人権上の問題は、介護が必要になった人ほど、自ら住まいやサービスを選択する機会を失いやすい点にある。

特定の介護事業所の利用が契約条件になれば、本人が別のサービスを希望しても変更しにくくなる。認知症などによって説明の理解や意思表示に支援が必要な場合には、施設や家族の判断が優先され、本人の希望が十分に確認されないことも考えられる。

新制度が重視するケアマネジメントの独立性は、介護保険財政の適正化だけでなく、本人の生活を誰が決めるのかという問題にも関係する。本人の意思決定を支援する仕組みと、施設運営上の都合によるサービス選択を区別することが、入居者保護の実効性を左右する。

登録制度の施行後に何を検証するか

登録制度の施行に向け、厚生労働省は施設情報の公表システムを整備し、職員配置や提供サービスなどを比較しやすくする方針を示した。入居者紹介事業についても、手数料の透明性や中立性を確保するため、2027年度から優良事業者認定制度の運用開始を目指す。

検証すべき事項は登録施設数だけではない。系列の介護事業所への誘導が減ったか、夜間の急変や災害への対応が改善されたか、契約変更や退去をめぐる苦情が減少したかを確認する必要がある。規制強化によって低所得の高齢者が利用できる住まいが減らないかという問題も残る。

厚生労働省は今後、政省令や通知を整備し、自治体と事業者による準備を進める。2027年12月に予定する有料老人ホーム登録制の施行は、高齢者が安全に生活できることに加え、自ら選んだ介護サービスと住まいを継続して利用できる制度になるかが問われる。

出典

厚生労働省「第10回有料老人ホームにおける望ましいサービス提供のあり方に関する検討会」
URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_76664.html

厚生労働省「登録制の施行に向けた対応について(まとめ)」
URL:https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001758070.pdf

厚生労働省「登録基準に関する案と現行の標準指導指針等との比較」
URL:https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001758071.pdf

厚生労働省「第8回有料老人ホームにおける望ましいサービス提供のあり方に関する検討会」
URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_74992.html

厚生労働省「有料老人ホームにおける望ましいサービス提供のあり方に関する検討会とりまとめ」(2025年11月5日)
URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_65637.html

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人権ニュース編集部

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