1.文部科学省と香川県教育委員会は9月26日、高松市で地域見守り活動研修会を開催し、141人が参加を申し込んだ。
2.2023年度の研修は警察や地域団体による講義が中心だったのに対し、2026年度は大学生の防犯活動と参加者による協議を組み込んでいる。
3.学校保健安全法は学校自身の安全計画と地域・警察等との連携を定めており、地域ボランティアは学校側の安全管理を代替する仕組みではない。

文部科学省と香川県教育委員会は2026年9月26日午前9時45分から正午まで、サンポートホール高松で「地域の見守り活動充実に向けた研修会」を開催する。参加申込者は141人。徳島文理大学「レインボーの会」と香川大学防犯パトロール隊が「若者の力でつなぐ地域の見守りネットワーク」を報告し、香川県警察本部生活安全企画課の香西克洋調査官が地域防犯について講義する。後半には「効果的な見守り活動について」の協議も行われる。
同じ研修の2023年度資料と比べると、構成の違いが見える。2023年9月2日の研修には157人が申し込み、香川県警察本部による「見守り活動のポイント」、県の安全・安心まちづくりアドバイザー制度、地域見守り隊の実践報告が行われた。2026年度は申込者が141人と16人少ないが、人数の増減だけでは研修の成果を判断できない。内容面では、大学生2団体を登壇者に加え、参加者自身が見守り方法を協議する時間を設けた点が変化している。
地域の見守り活動は住民の善意だけに委ねられた制度ではない。学校保健安全法第26条は学校設置者に安全確保のための必要な措置を、第27条は学校に通学を含む学校生活の安全に関する計画の策定・実施を定める。第30条は、保護者に加え、警察署、地域の安全活動を行う団体、住民などとの連携を図るよう学校に規定している。地域の見守りは学校側の安全管理を置き換えるものではなく、学校・行政・警察・地域がそれぞれの情報を持ち寄る補完的な仕組みである。
2026年度に大学生の活動を取り上げたことは、見守りの担い手を特定の年代や既存団体だけに固定しないという点でも検討材料になる。ただし、研修で大学生の事例を紹介したことと、各地域で若い世代の継続参加が実現することは別問題である。防犯上の危険箇所、交通上の課題、不審者情報などを誰が集約し、学校や警察へどう戻すのかという情報循環まで設計しなければ、活動者を増やすだけでは制度的な安全対策にはならない。
香川県教育委員会の2026年度研修は、2023年度の講義中心の構成から、若者による事例報告と参加者協議を加える形へ変わった。9月26日の研修後、141人の参加者が地域でどのような取組を行ったか、学校や警察との情報共有がどう変化したかまで把握できれば、参加人数以外の指標で事業を検証できる。香川県教育委員会が研修成果を地域の学校安全体制へどう戻すかが、次年度以降の比較材料となる。
香川県教育委員会「地域の見守り活動充実に向けた研修会の開催について」
URL: https://www.pref.kagawa.lg.jp/kenkyoui/hokentaiiku/anzen-hoken/anzen/tiiki_mimamori_katudo.html
香川県教育委員会「令和8年度地域の見守り活動充実に向けた研修会の開催について」
URL: https://www.pref.kagawa.lg.jp/documents/42643/r8tiikinimamori.pdf
香川県教育委員会「令和5年度地域の見守り活動充実に向けた研修会の開催について」
URL: https://www.pref.kagawa.lg.jp/documents/42643/press_release_tiikimimamori.pdf
e-Gov法令検索「学校保健安全法」
URL: https://laws.e-gov.go.jp/law/333AC0000000056
文部科学省「学校安全に関する資料・事業」
URL: https://anzenkyouiku.mext.go.jp/mextshiryou/index.html

