1.葛飾区が9月12日、アリオ亀有で「もの忘れ予防・フェスタin葛飾」を開催する。
2.認知症VR、認知機能セルフチェック、専門職相談を、事前申込み不要で利用できる。
3.「認知症予防」は発症を完全に防ぐという意味ではなく、発症を遅らせたり進行を緩やかにしたりする考え方として整理する必要がある。

葛飾区は9月12日午前10時から午後5時まで、アリオ亀有1階サニーコートAで「もの忘れ予防・フェスタin葛飾」を開催する。対象は限定せず、事前申込みも不要。認知症VR体験、認知機能セルフチェック、専門職による相談、展示を実施する。区は「最近もの忘れが気になる」という人にも参加を呼びかけている。
行政庁舎や医療機関ではなく、日常的に買い物で利用される商業施設を会場とし、予約を不要にした点は、相談・啓発への入口を広げる仕組みといえる。認知症への不安があっても「専門機関に相談するほどではない」と考える人や、行政の窓口に出向くことに抵抗がある人がいる。買い物の途中で情報に触れ、必要なら相談につながる形は、早い段階で地域の支援資源を知る機会を増やす。
名称にある「もの忘れ予防」については、誤解を避ける必要がある。厚生労働省は認知症施策で使う「予防」を、「認知症にならない」という意味ではなく、発症を遅らせることや、発症後の進行を緩やかにすることと説明している。セルフチェックも医療機関による診断そのものではない。結果だけで本人や家族が認知症の有無を判断するのではなく、必要に応じ専門相談につながる入口として利用することが適切だ。
2024年施行の認知症基本法は、認知症の人が尊厳を保持しながら希望を持って暮らせる社会を掲げている。したがって啓発も、「認知症にならないため」というメッセージだけに偏ると、すでに認知症とともに暮らす人を否定的に捉える結果になりかねない。葛飾区のフェスタでは、VRによる理解、セルフチェック、専門職相談を同じ会場に置いており、予防と共生の双方をどのように伝えるかが実施内容を見るポイントになる。
葛飾区「認知症普及啓発イベント もの忘れ予防・フェスタin葛飾」
URL:https://www.city.katsushika.lg.jp/event/1000107/1043184.html
厚生労働省「認知症施策推進大綱について」
URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000076236_00002.html
