1.鳥取県と鳥取県同和対策協議会は7月31日、鳥取市で人権・同和問題講演会を開く。
2.講師の岡本工介さんが、大阪府高槻市富田地区で進める社会的包摂の地域づくりを紹介する。
3.部落差別を啓発だけでなく、孤立や生活上の排除を防ぐ地域福祉の課題として考える機会となる。

鳥取県と鳥取県同和対策協議会は7月31日午後1時30分から、令和8年度人権・同和問題講演会「ひとりぼっちのいない町をつくる―子どもからお年寄りまで“みんな真ん中”の地域をつくる―」を、とりぎん文化会館第1会議室(鳥取市尚徳町)で開く。講師は、一般社団法人タウンスペースWAKWAKの業務執行理事兼事務局長、岡本工介さん。入場は無料で、手話通訳と要約筆記を用意する。開催時間は午後3時30分までとなる。
タウンスペースWAKWAKは、大阪府高槻市の富田地区を拠点に、子どもから高齢者までを対象とした地域福祉事業を展開している。地域、学校、行政、大学、企業などをつなぐ役割を担い、富田地区での事業と、他地域の団体を支える中間支援事業を二つの柱としている。岡本さんは社会福祉士で、高槻市の人権啓発や総合相談業務を経て2016年に同法人へ入り、社会的包摂を軸とした地域づくりに携わってきた。
今回の演題は、部落差別を知識や意識だけの問題として扱わず、地域で孤立する人を支援や参加につなぐ仕組みから考える構成となる。差別は、侮辱的な言動だけで生じるものではない。出身や居住地域への偏見によって、結婚、就職、地域活動への参加などから排除される場合にも、生活上の不利益が積み重なる。子ども、高齢者、生活困窮者、障がい者らを分野別に切り離さず、学校、福祉、行政、住民組織が連携するWAKWAKの実践は、部落差別の解消を地域福祉の課題として捉え直す材料になる。
鳥取県は、1969年7月10日の同和対策事業特別措置法施行を記念して翌1970年に「部落解放週間」を設け、1973年から7月10日から8月9日までを「部落解放月間」としている。県は現在も、結婚や就職での不当な取扱い、偏見に基づく身元調査、特定地域が同和地区かどうかを尋ねる行為、インターネット上の差別的な書き込みを課題として挙げる。2016年12月16日施行の部落差別解消推進法も、部落差別が現在も存在し、情報化によって状況が変化しているとの認識を明記した。
鳥取県は人権尊重の社会づくり条例を改正し、インターネット上の人権侵害について、発信者情報開示請求の援助、削除要請、命令、命令に従わない場合の氏名公表、5万円以下の過料などを規定している。制度による被害救済と、地域内で孤立を生まない実践は役割が異なるが、どちらも差別による生活上の不利益を減らすための手段である。7月31日の講演では、岡本さんが高槻市富田地区で築いてきた官民・多機関連携を、鳥取県内の地域で部落差別と社会的孤立に向き合う手法としてどう示すかが具体的な論点となる。
鳥取県「令和8年度人権・同和問題講演会の開催について」
URL:http://db.pref.tottori.jp/pressrelease.nsf/webview/24FDC5D9B087B42649258E3E000442EF?OpenDocument
参考 一般社団法人タウンスペースWAKWAK「タウンスペースWAKWAK」
URL:https://ts-wakwak.com/
参考 鳥取県「部落解放月間」
URL:https://www.pref.tottori.lg.jp/item/1362998.htm

