新潟県教委、小学校教頭を戒告 児童の頬を叩く体罰で

この記事のポイント

1.新潟県教育委員会は6月30日、下越地方の小学校に勤務する50代男性教頭を戒告処分にした。
2.男性教頭は2025年11月4日、授業中に眠そうに見えた児童を起こそうとして左頬を叩いた。
3.同教頭は暴行罪で略式起訴され、2026年1月14日に罰金10万円の略式命令を受けていた。

懲戒処分のイメージ図

新潟県教育委員会は2026年6月30日、下越地方の小学校に勤務する50代の男性教頭について、児童への体罰を理由に戒告の懲戒処分を行った。県教委の報道資料によると、事案は2025年11月4日午後2時頃に発生した。男性教頭は授業中、眠そうに見えた被害児童を起こそうとして、左頬を叩いた。

処分内容は戒告で、事件の種類は「体罰」とされた。付帯事項として、男性教頭は暴行の罪により2025年12月25日に略式起訴され、2026年1月14日に略式命令があり、罰金10万円の刑事処分を受けた。県教委は問い合わせ先として義務教育課を示し、課長の川村氏、課長補佐の山川氏を担当者として記載している。

学校教育法第11条は、校長や教員が教育上必要な懲戒を行う余地を認める一方で、体罰を禁じている。文部科学省は2013年の通知で、体罰を「学校教育法第11条において禁止」される行為とし、児童生徒への指導に当たって、いかなる場合も体罰を行ってはならないと示している。身体に対する侵害を内容とする行為は、児童生徒の年齢や状況を踏まえて判断されるが、今回の事案では、県教委が児童の頬を叩いた行為を体罰として整理した。

人権上の論点は、教職員による指導権限と、児童が安心して学ぶ権利との関係にある。授業中の覚醒を促す目的であっても、児童の身体に直接力を加える指導は、児童の尊厳や安全を損なう。特に教頭は学校運営に関わる管理職であり、校内の指導体制を点検する立場にもある。文部科学省の通知も、学校が特定の教員に対応を抱え込ませず、校長や教頭、生徒指導担当教員を中心に指導体制を見直す必要を示している。

今回の公表資料は、被害児童の学年、学校名、発覚経緯、再発防止策までは示していない。そのため、処分の軽重を外部から断定することはできない。ただし、刑事処分を受けた事案である以上、新潟県教育委員会と当該小学校には、児童への支援、保護者への説明、校内での体罰防止研修の実施状況を確認し、下越地方の小学校で起きた今回の事案を個人処分だけで終わらせない運用が問われる。

出典

新潟県教育委員会「教職員の処分を行いました」
URL:https://www.pref.niigata.lg.jp/site/kyoiku/20260630jinjisochi.html

文部科学省「体罰の禁止及び児童生徒理解に基づく指導の徹底について」
URL:https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1331907.htm

人権ニュース編集部

人権ニュース編集部は、官公庁、自治体、企業、公益団体、国際機関等が公表する一次情報をもとに、差別、労働、教育、福祉、司法・制度、外国人共生、ビジネスと人権などに関するニュースと解説を発信しています。掲載内容は、出典確認を行ったうえで、制度的背景や人権上の論点を補足して構成しています。

人権ニュース編集部をフォローする
教育
シェアする
タイトルとURLをコピーしました