1.香川県立高松高等学校の生徒が7月7日、香川大学教育学部附属高松中学校で人権学習交流会を開く。
2.中学3年生103人が7~8人の班に分かれ、高校生と人道や平和をテーマに意見をまとめる。
3.杉原千畝・幸子夫妻の歩みを題材に、ホロコースト、難民、差別と人権について世代の近い生徒同士で考える。

香川県立高松高等学校の生徒が2026年7月7日、香川大学教育学部附属高松中学校を訪れ、杉原千畝・幸子夫妻の歩みを題材とする出張授業と交流会を行う。時間は午後1時45分から3時35分まで。高松高校の「人道プログラム実行委員会」に所属する1、2年生10~18人と、附属高松中学校の3年生103人が参加する。中学生7~8人の班に高校生1人が入り、人道や平和に関するテーマを設定して意見を出し合い、班の考えをまとめて発表する。
今回の企画は、高松高校の生徒が自発的に母校の中学校へ出向き、旧担任に活動内容を伝えたことから実現した。2023年度にも一宮中学校、三木中学校、白鳥中学校で同様の交流会を実施している。高校生が講師役を務める構成は、学んだ歴史を説明するだけでなく、年齢の近い中学生の疑問を受け止め、自らの理解を問い直す過程を含む。人権教育を学校内で完結させず、生徒が地域の別の学校へ運ぶ点に、この活動の特徴がある。
高松高校は、一般財団法人三菱みらい育成財団の助成を受け、「杉原千畝・幸子氏から広がる人道の輪」をテーマに活動してきた。杉原幸子氏が同校の卒業生である縁を起点に、イスラエル、リトアニア両大使館への表敬訪問、岐阜県の杉原千畝記念館などを巡る国内研修、2024年度のポーランド・リトアニア研修、2025年度の大阪・関西万博での発表へと学習を広げた。今回の交流会は、海外や国内で得た知識を県内の中学生へ伝える段階に当たる。
外務省によると、リトアニアのカウナスで副領事を務めていた杉原千畝氏は1940年夏、ナチス・ドイツの迫害から逃れたユダヤ系難民に2100件を超える通過査証を発給した。査証は難民が日本を経由して第三国へ向かう経路を開き、数千人の生存につながった。人権学習として扱う際は、杉原氏個人の勇気だけでなく、反ユダヤ主義が差別的な制度、排除、迫害へ拡大し、多数の人を難民化させた歴史を切り離せない。ユネスコも、ホロコースト教育について、人権侵害が生じる仕組みを批判的に考える力を育て、差別や暴力の防止につなげる教育として整理している。
7月7日の交流会では、高校生が完成した知識を一方向に教えるのではなく、附属高松中学校の3年生103人と班ごとに問いを立て、意見の違いを整理する。杉原千畝・幸子夫妻の選択を過去の美談として終えず、迫害を受ける人を前にしたときに何を判断するのかを中高生が言葉にすることが、高松高校の人道プログラムを県内へ広げる具体的な実践となる。
香川県教育委員会「高松高校生が香大附属高松中学校で人権学習交流会を行います」
URL:https://www.pref.kagawa.lg.jp/kenkyoui/takamatsuko/houdou260622.html
香川県立高松高等学校「高松高校生が香大附属高松中学校で人権学習交流会を行います」
URL:https://www.pref.kagawa.lg.jp/documents/62186/houdou_260622_takako.pdf
香川県立高松高等学校「香川県高校生人道プログラム 海外研修」
URL:https://www.kagawa-edu.jp/takah02/plugin/blogs/show/1/8/2065
外務省「エルサレム・ポスト紙への茂木外務大臣と駐日イスラエル大使による共同寄稿」
URL:https://www.mofa.go.jp/mofaj/erp/we/lt/page4_005262.html
ユネスコ「Education about the Holocaust and preventing genocide」
URL:https://unesdoc.unesco.org/ark:/48223/pf0000248071

