医療的ケア児の「今」を当事者と親が語る 福岡県フォーラム

この記事のポイント

1.福岡県が8月29日、医療的ケアの当事者と家族が経験を語る「こどもまんなかフォーラム」を開催する。
2.パラアスリートの中田雅貴氏による講演と、医療的ケア児を育てた3人の親による鼎談を行う。
3.本人の成人後の生活を考える一方、会場に看護師を配置しない参加条件も人権上の論点となる。

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福岡県は2026年8月29日、医療的ケア児支援センター啓発研修「こどもまんなかフォーラム 活き活きと自分らしく、今を生きる」を、そぴあしんぐう大ホール(新宮町新宮東)で開く。時間は午後1時から3時45分まで。定員は先着200人で、参加費は無料、申込みは8月28日午後5時まで受け付ける。医療的ケアが必要な本人や家族、支援者に限らず、支援に関心がある人も参加できる。

前半では、医療的ケアの当事者でパラアスリートとして活動する中田雅貴氏が「私の人生 成人期を迎えるあなたと成人期を歩んでいるあなたへ」と題して講演する。後半の鼎談「私たちの子育て、親育て」には、中田氏の母・中田千晶氏、全国医療的ケアライン前代表の村尾晴美氏、西日本新聞佐賀総局長の三宅大介氏が登壇する。当事者本人の成人期と、医療的ケアが必要な子を育てた親の経験を同じ会場で扱う構成である。

医療的ケア児とは、人工呼吸器や胃ろうの使用、たんの吸引などの医療的ケアを日常的に必要とするこどもを指す。2021年に施行された医療的ケア児支援法は、本人の日常生活と社会生活を社会全体で支え、家族の離職防止にも配慮することを基本理念に掲げた。18歳に達した後や高校などを卒業した後も、保健医療・福祉サービスを受けながら生活できるよう配慮することも定める。医療、福祉、保健、保育、教育など複数分野の連携が前提となる。

福岡県は2022年4月、こども療育センター新光園内に福岡県医療的ケア児支援センターを開設した。センターは相談へのワンストップ対応のほか、支援人材の養成、関係機関との調整、短期入所施設や訪問看護ステーションなどの情報発信、NICU退院後の在宅移行支援を担う。2025年の同フォーラムでは「地域で暮らそう」を掲げ、成人移行期や在宅医療を扱った。2026年は制度や支援体制の説明から一歩進み、本人と親が生活の実像を語る内容に比重を移した。

医療的ケアがあっても、本人が学び、働き、地域で活動し、自分の将来を選ぶ権利は変わらない。家族の献身だけを前提にせず、本人の意思と生活像から支援を組み立てることが、人権上の要点となる。ただし、県は医療的ケア児の来場を認める一方、会場に看護師を配置せず、必要なケアは家族が行うとしている。家族だけで対応できない場合には参加の障壁となり得る。福岡県医療的ケア児支援センターには、8月29日の語りを、相談支援や地域資源の調整にどう反映するかが問われる。

出典

福岡県「医療的ケア児支援センター啓発研修『こどもまんなかフォーラム 活き活きと自分らしく、今を生きる』を開催します!」
URL:https://www.pref.fukuoka.lg.jp/press-release/kodomo-mannaka-forum-2026.html

参考資料 福岡県「福岡県医療的ケア児支援センターのご案内」
URL:https://www.pref.fukuoka.lg.jp/contents/ikeaji-sc.html

参考資料 こども家庭庁「医療的ケア児等とその家族に対する支援施策」
URL:https://www.cfa.go.jp/policies/shougaijishien/care-ji-shien

人権ニュース編集部

人権ニュース編集部は、官公庁、自治体、企業、公益団体、国際機関等が公表する一次情報をもとに、差別、労働、教育、福祉、司法・制度、外国人共生、ビジネスと人権などに関するニュースと解説を発信しています。掲載内容は、出典確認を行ったうえで、制度的背景や人権上の論点を補足して構成しています。

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