1.兵庫県立男女共同参画センターは12月8日、女性のための心理講座を開催する。
2.県内在住・在勤・在学の女性20人を募集し、無料の一時保育も設ける。
3.DVや仕事、家庭の悩みに対し、心理的な学びと専門的な相談・救済制度を適切に使い分けることが課題となる。

県立男女共同参画センターで心理講座
兵庫県立男女共同参画センターは2026年12月8日、女性のための心理講座「~こころについて考える~よりよい対人関係のために」を開催する。時間は午前10時から午後0時30分まで。会場は神戸市中央区の兵庫県立男女共同参画センター・イーブンのセミナー室で、県内在住または在学・在勤の女性20人を募集する。受講料は無料で、応募多数の場合は抽選となる。講師は同センターの女性問題カウンセラーが務め、自分と他者の考え方を認識しながら、自分らしさを守って対人関係を築く方法を学ぶ。
兵庫県によると、同センターの「女性のためのなやみ相談」には、DV、夫婦関係、仕事、子育て、生き方など、幅広い相談が寄せられている。こうした問題を一人で抱え込み、生きづらさを感じている女性も多いという。今回の講座は、相談現場で把握される問題を踏まえ、対人関係や自身の心理的な状態について理解を深める機会として企画された。
対人関係の悩みと権利侵害を区別する
家庭や職場で生じる悩みの中には、相互の認識の違いやコミュニケーションによって改善できる問題がある。しかし、DVやハラスメント、雇用上の差別的取扱いなどが関係している場合、被害を受けている人が自身の接し方を変えるだけでは解決できない。
例えば、職場で威圧的な言動が繰り返されている状況では、本人が相手との関係を改善しようと努力することと、事業主が必要な防止措置や相談対応を行うことは別の問題である。配偶者やパートナーから暴力を受けている場合も、被害者の心理的な対処だけでなく、安全確保や専門機関への相談が優先されることがある。
このため、心理講座は問題を整理するための学習機会として有用である一方、法律相談、福祉支援、医療、保護制度を代替するものではない。参加者が自分の抱える問題に応じて必要な支援を選べるようにすることも、女性相談事業を担う施設の役割に関係する。
一時保育の設置と参加機会の保障
兵庫県は、1歳半から就学前までの子どもを対象に、定員6人の無料一時保育を用意する。事前予約が必要で、子どもを同伴して講座を受講することはできない。申込期限は11月30日正午となっている。
子育て中の女性が講座や相談事業を利用する際には、子どもの預け先、開催時間、移動手段などが参加の障壁になり得る。一時保育の設置は、その一部を軽減する対応である。ただし、対象年齢や定員に制限があるため、全ての保護者が同じ条件で利用できるわけではない。
心理講座から継続的な支援への接続
女性の抱える困難には、家族関係、経済的な事情、育児負担、労働環境などが重なっている場合がある。2024年4月に施行された「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」は、女性の意思を尊重しながら、本人の状況に応じた支援を行う仕組みを定めた。
今回の心理講座は同法に基づく個別支援そのものではないが、参加者が自分の状況を整理し、必要に応じて相談につながる入口となり得る。兵庫県立男女共同参画センターが実施する講座と「女性のためのなやみ相談」をどのように接続するかが、単発の学習機会を継続的な支援に結び付ける際の課題となる。
兵庫県「令和8年度女性のための心理講座『~こころについて考える~よりよい対人関係のために』の参加者募集」
URL:https://web.pref.hyogo.lg.jp/sa01/press/20261019.html
DV
URL:https://jinken-news.com/glossary/domestic-violence/
困難な問題を抱える女性への支援に関する法律
URL:https://jinken-news.com/glossary/konan-na-mondai-wo-kakaeru-josei-shien-ho/

