1.奈良市が10月21日、第22回「人権の歴史入門講座~なら楽学遊歩~」を実施する。
2.尼ヶ辻駅から西ノ京駅まで歩き、地域に残る「人権スポット」を現地で学ぶ。
3.史料だけでなく実際の地域空間から人権史を学ぶ一方、歴史上の差別と現在の地域住民を安易に結び付けない視点も必要になる。

尼ヶ辻駅から西ノ京駅まで歩く
奈良市東人権文化センターは10月21日午後1時30分から4時まで、第22回人権の歴史入門講座「なら楽学遊歩」を実施する。近鉄尼ヶ辻駅西側改札前の広場に集合し、西ノ京駅まで歩きながら地域にある「人権スポット」を訪ねる。講師は奈良東国際介護福祉学院副校長の深澤吉隆氏。対象は20歳以上で、定員は20人となっている。
歴史を「場所」と結び付けて理解する
人権史を年号や制度名だけで学ぶと、その制度が実際の地域や生活にどのように作用したのかが見えにくい場合がある。現地を歩くフィールドワークでは、道、寺社、集落、公共施設など現在も存在する空間と歴史資料を結び付けることができる。「なら楽学遊歩」が22回目を迎えていることからも、奈良市が現地学習を成人向け人権教育の一つの手法として継続してきたことがうかがえる。
この学習方法では、別の配慮も欠かせない。差別に関わる歴史を場所と結び付ける際、その場所を現在暮らす人々の属性や出自と短絡的に結び付ければ、歴史学習が新たな偏見を生む可能性があるからだ。現地に残る痕跡は、現在の住民を分類するための情報ではなく、過去の制度、社会関係、人々の暮らしを理解する史資料として扱う必要がある。
「どこで起きたか」から制度を読み直す
歴史的な人権問題は、法令や行政制度だけで形成されたわけではない。地域社会の慣行、職業、教育、居住など複数の要素が重なってきた。現地学習の利点は、「何が起きたか」に加えて「なぜその場所で、その状況が生じたのか」を考えられることにある。第22回「なら楽学遊歩」が、歴史的事実を現在の地域へのラベルにせず、尼ヶ辻から西ノ京までの具体的な地域史としてどこまで説明できるかが、人権教育としての内容を左右する。
奈良市「第22回人権の歴史入門講座~なら楽学遊歩~」
URL: https://www.city.nara.lg.jp/soshiki/23/275276.html
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