障害者法定雇用率2.7%へ引上げ 東京都社労士会、採用から定着まで研修

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この記事のポイント

1.東京都社会保険労務士会は、障害者雇用の業務設計、合理的配慮、定着支援、助成制度を扱う無料オンライン研修の申込みを開始した。
2.民間企業の法定雇用率は2026年7月1日に2.5%から2.7%へ上がり、原則として常用労働者37.5人以上の事業主が雇用義務の対象となった。
3.2024年時点では法定雇用率達成企業は46.0%にとどまり、採用人数を満たすだけでなく業務設計や合理的配慮、職場定着まで含めた対応が企業課題となっている。

障害を理由とする偏見や差別をなくそう

東京都社会保険労務士会は、障害者雇用のオンライン研修「初めての障害者雇用~採用の一歩から、職場への定着まで~」の申込みを受け付けている。申込期間は2026年9月1日から11月30日、配信は9月中旬から12月25日までで、受講料は無料。YouTubeの限定URLを利用する。

7月から民間企業の法定雇用率は2.7%

研修開始の直前には障害者雇用制度の大きな変更があった。障害者雇用促進法に基づく民間企業の法定雇用率は2026年7月1日、2.5%から2.7%へ引き上げられた。これに伴い、原則として常用雇用労働者37.5人以上の事業主が障害者雇用義務の対象となる。例えば120人を常用雇用する企業では、制度上3人以上の障害者雇用が必要となる。

ただし、法定人数を採用すれば障害者雇用が完結するわけではない。厚生労働省によると、2024年時点で民間企業の法定雇用率達成企業は46.0%だった。法定雇用率が2.5%へ上がった年でもあり、達成企業割合は前年から4.1ポイント低下している。

研修が「採用後」まで扱う理由

東京都社会保険労務士会の研修では、株式会社物語コーポレーションによる「最初の一歩」でのつまずきや仕事の切り出し・業務設計、ハローワーク飯田橋による障害特性と合理的配慮、社会保険労務士による定着・戦力化、東京しごと財団による助成金・支援制度などを扱う。採用数ではなく、採用前の職務設計から定着までを一連のテーマにしている点が特徴である。

障害者雇用促進法では、雇用分野で障害を理由とする差別を禁止するとともに、過重な負担にならない範囲で合理的配慮を提供することが事業主に課されている。合理的配慮は「特別扱い」ではなく、本人と対話しながら業務遂行上の障壁を調整する制度であり、勤務時間、情報伝達、設備、業務量など多様な場面が対象となり得る。

法定雇用率2.7%への引上げによって、初めて雇用義務の対象となる中小企業も生じる。東京都社会保険労務士会の研修が、単に「何人採用すればよいか」を説明するのではなく、仕事の切り出し、合理的配慮、定着支援まで扱う背景には、雇用率という数値と実際に働き続けられる職場環境の間を埋める実務課題がある。

出典

東京都社会保険労務士会「初めての障害者雇用~採用の一歩から、職場への定着まで~」
URL: https://www.tokyosr.jp/topics/year/detail/?ids=2026_63359

厚生労働省「事業主の方へ 障害者雇用率制度」
URL: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/jigyounushi/page10.html

厚生労働省「令和7年版 労働経済の分析」
URL: https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/roudou/25/1-2.html

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人権ニュース編集部

人権ニュース編集部は、官公庁、自治体、裁判所、企業、公益団体、国際機関などが公表する一次情報を確認し、差別、子ども、障害者、高齢者、教育、福祉、司法・制度、外国人、ビジネスと人権などに関するニュース、制度解説、独自調査を発信しています。記事では出典を明示し、事実関係を確認したうえで、関連する法制度や統計、過去の経緯などを参照しながら、人権上の論点や社会的背景を整理しています。

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