1.長野県は9月25日、長野市芸術館などで「障がい者雇用フォーラム」を開催する。
2.信州ビバレッジ、相澤病院、就労支援機関、ハローワークなどが、障害特性を生かす職場づくりや支援について議論する。
3.民間企業の法定雇用率は2026年7月に2.7%へ上がっており、採用人数だけでなく、合理的配慮、職務設計、定着を含む雇用の質が課題となる。

長野県は2026年9月25日午後2時から4時まで、長野市芸術館リサイタルホールで「令和8年度障がい者雇用フォーラム『共に働く~誰もが輝く共生社会を目指して~』」を開催する。午後2時から障害者雇用優良事業所などの表彰を行い、2時40分から信州ビバレッジ株式会社経営企画部の前川哲志氏が「障がい特性を活かした働き方と職場づくり」をテーマに講演する。前川氏は当事者と人事担当者という二つの立場から職場環境を考える。
午後3時からのトークセッションには、社会福祉法人財団慈泉会相澤病院、信州ビバレッジ、ウェルビー松本駅前センター、ハローワーク松本、社会福祉法人廣望会が参加する。「働く」「活かす」「支える」という異なる立場を同じ場に置く構成で、採用する企業だけでなく就労支援機関、行政を含めて職場定着を考える。長野市役所内の市民交流スペースでは午前11時から午後1時まで、就労継続支援B型事業所によるパン、菓子、雑貨などの販売も行う。
開催時期には制度上の意味もある。民間企業の障害者法定雇用率は2026年7月1日に2.5%から2.7%へ引き上げられ、対象となる事業主の範囲も常用雇用労働者40人以上から37.5人以上へ広がった。厚生労働省の2025年6月時点の集計では、民間企業で雇用される障害者は70万4,610人、実雇用率は2.41%で過去最高だった一方、当時の法定雇用率2.5%を達成した企業は46.0%だった。2.7%への引上げは、企業に新たな採用や雇用管理を促す局面となっている。
ただし、法定雇用率は雇用の「人数」を測る制度であり、仕事の内容や働き続けやすさまで自動的に保証するものではない。本人の能力と職務が合っているか、必要な合理的配慮を受けられるか、相談できる担当者がいるか、昇進や研修の機会から外されていないかといった点は別に確認する必要がある。長野県のフォーラムが前川氏の「当事者と人事担当者」という二つの立場や、企業・支援機関・ハローワークの対話を組み込むのは、雇用率達成だけでは見えない職場運営を扱うためである。9月25日の議論を県内企業の職務設計や合理的配慮、定着支援へどう還元するかが、2.7%時代の障害者雇用を評価する次の材料となる。
長野県「令和8年度 障がい者雇用フォーラム『共に働く~誰もが輝く共生社会を目指して~』を開催します」
URL:https://www.pref.nagano.lg.jp/rodokoyo/happyou/260907press.html
厚生労働省「事業主の方へ 障害者雇用率制度」
URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/jigyounushi/page10.html
厚生労働省「令和7年 障害者雇用状況の集計結果」
URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_67490.html
