山形県、アクセシブルツーリズム研修会 最上・置賜で観光事業者向けに開催

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この記事のポイント

1.山形県が11月5日に最上地域、6日に置賜地域でアクセシブルツーリズム理解促進研修会を開催する。
2.高齢者や障害のある人など、多様な旅行者の困りごとを理解し、観光施設でできる工夫を学ぶ。
3.講演と県内事業者の事例紹介、施設利用体験を通じて、誰もが旅行を楽しめる観光環境づくりを進める。

山形県のアクセシブルツーリズム理解促進研修会

観光事業者が旅行者の立場を体験

山形県は2026年11月5日と6日、観光事業者を対象とした「アクセシブルツーリズム理解促進研修会」を最上地域と置賜地域で開催する。高齢者や障害のある人など、さまざまな旅行者が安全で快適に観光を楽しめる環境づくりを進めるため、具体的な接遇方法や施設の工夫を学ぶ機会を設ける。

11月5日は新庄市の「道の駅新庄エコロジーガーデン 原蚕の杜」多目的ホール、6日は米沢市の「伝国の杜 置賜文化ホール」大会議室で開催する。時間はいずれも午後1時30分から4時まで。会場参加とオンライン参加を組み合わせた方式で実施し、各会場の定員は先着50人、参加費は無料。申込期限は10月30日となっている。

研修では、旅行者の不安や困りごとを知り、県内宿泊施設による事例紹介を聞いたうえで、実際の施設を使った体験やグループワークを行う予定だ。旅行者の立場から施設の使いやすさを考えることが、プログラムの柱となっている。

アクセシブルツーリズムとは何か

アクセシブルツーリズムとは、年齢や障害の有無などにかかわらず、多様な人が観光に参加しやすい環境を整える考え方をいう。

例えば、足腰に不安のある人が館内の移動経路を事前に知ることができる、車椅子利用者が利用可能な設備を確認できる、聴覚障害のある人に文字で案内を伝えられるといった工夫が考えられる。

観光施設のバリアフリー化と重なる部分もあるが、建物や設備の整備だけを意味するものではない。予約時の情報提供、スタッフによる案内、食事や宿泊の相談への対応なども、旅行のしやすさに関係する。

すべての施設が同じ設備を備えている必要があるという考え方ではなく、それぞれの施設が提供できる情報や対応方法を明確にし、旅行者が自分に合った選択をできるようにすることが出発点となる。

只石幸夫氏が講演、県内宿泊施設の実践も紹介

両会場では、アクセシブルツーリズムに関する活動を続ける只石幸夫氏が講師を務める。

県の案内によると、只石氏は北海道や旭川地区を中心に、障害のある当事者、行政、観光事業者、大学、医療機関などと連携して、バリアフリー観光やパラスポーツの普及に携わってきた。旅行者の立場に立ったアクセシブルな観光・地域づくりを実践し、2024年には「バリアフリー・ユニバーサルデザイン推進功労者表彰」で内閣府特命担当大臣表彰の優良賞を受賞している。

事例発表には、最上会場では新庄市のニューグランドホテル、置賜会場では米沢市の小野川温泉「鈴の宿 登府屋旅館」が参加する。

宿泊施設が実際に行っている工夫を知ることで、参加者は自らの施設に取り入れられる取組を具体的に検討できる。講演だけでなく、地域内の事業者同士が経験を共有することにも研修の特色がある。

障害者差別解消法と観光事業者の関係

アクセシブルツーリズムを考えるうえでは、「障害者差別解消法」との関係も知っておきたい。

この法律は、障害を理由とする不当な差別的取扱いを禁止するとともに、障害のある人から社会的障壁の除去について意思の表明があった場合、過重な負担にならない範囲で必要かつ合理的な配慮を提供することを定めている。

2024年4月からは、民間事業者にも合理的配慮の提供が義務付けられた。宿泊施設、飲食店、交通事業者、観光施設なども対象となる。

合理的配慮とは、障害のある人がサービスを利用する際、障壁となっている事情に応じて、事業者と本人が対話しながら対応方法を検討することをいう。

例えば、施設内の移動に困難がある場合、本人の希望を聞き、利用可能な経路を案内することが考えられる。特定の設備や対応方法がすべての施設で一律に義務付けられるわけではなく、個別の状況や負担を踏まえて判断する仕組みだ。

旅行者の選択肢を広げる地域づくり

高齢者や障害のある人にとって、旅行先を選ぶ段階で必要な情報が得られるかどうかは、実際に旅行できるかを左右することがある。

設備の有無だけでなく、段差の状況、客室や浴場への移動方法、食事への対応などが事前に分かれば、旅行者や同行する家族は安心して計画を立てやすくなる。こうした情報提供は、施設にとっても利用者との認識の違いを減らす助けとなる。

山形県が開催する今回の研修会は、大規模な改修を前提とせず、情報発信や接遇、備品の工夫など、観光事業者が日常業務の中から改善できることを考える内容となっている。

研修会の申込みや詳細は、山形県の発表資料で確認できる。県内の宿泊施設、飲食店、観光施設、交通事業者などにとって、利用者の声をサービスづくりに生かす機会となりそうだ。

出典

山形県「アクセシブルツーリズム理解促進研修会の開催について」 URL:https://www.pref.yamagata.jp/110011/202610accecible.html

山形県「アクセシブルツーリズム理解促進研修会チラシ」 URL:https://www.pref.yamagata.jp/documents/54819/presschirashi~accecible~.pdf

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人権ニュース編集部

人権ニュース編集部は、官公庁、自治体、裁判所、企業、公益団体、国際機関などが公表する一次情報を確認し、差別、子ども、障害者、高齢者、教育、福祉、司法・制度、外国人、ビジネスと人権などに関するニュース、制度解説、独自調査を発信しています。記事では出典を明示し、事実関係を確認したうえで、関連する法制度や統計、過去の経緯などを参照しながら、人権上の論点や社会的背景を整理しています。

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